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扉を開けた瞬間、ノエルは固まった。
ノエルの瞳には、外の日差しを通す大きめな窓の前に立つ、眩いばかりに輝く白い女の背中が映っていた。
その背中の女が振り向いた。
その拍子に、形の良い胸がプルンと揺れる。
軽くウェーブのかかった亜麻色の髪もフワリと揺れる。
アメジスト色の綺麗な瞳が見開かれる。
女の顔が引きつる。
全てがスローモーションだった。
ノエルは女以上に引きつった顔に無理やり笑顔を作ろうとした。―が、その前に
「キャーーーー!!ち、ち、痴漢よーーー!!」
宿中、イヤ恐らく、イヤイヤ間違い無く宿屋の外まで響きわたる位の大声で、女は叫んだ。
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