第一章  いざ王都へ

2/16
前へ
/261ページ
次へ
扉を開けた瞬間、ノエルは固まった。    ノエルの瞳には、外の日差しを通す大きめな窓の前に立つ、眩いばかりに輝く白い女の背中が映っていた。    その背中の女が振り向いた。  その拍子に、形の良い胸がプルンと揺れる。    軽くウェーブのかかった亜麻色の髪もフワリと揺れる。    アメジスト色の綺麗な瞳が見開かれる。    女の顔が引きつる。  全てがスローモーションだった。    ノエルは女以上に引きつった顔に無理やり笑顔を作ろうとした。―が、その前に  「キャーーーー!!ち、ち、痴漢よーーー!!」    宿中、イヤ恐らく、イヤイヤ間違い無く宿屋の外まで響きわたる位の大声で、女は叫んだ。   
/261ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2185人が本棚に入れています
本棚に追加