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小さな薬屋。
薄汚れた外装に、透明の自動ドア。
「いらっしゃいませ」
カウンターの奥に並ぶ薬棚から
若い女性の声がした。
「あ、町田書店です。」
そういうと、奥から私服の女性が顔を出した。
「今手が離せないの。
悪いけれど、そこで座って待ってて頂戴。」
バッサリと切りそろえられた、真っ直ぐな黒い髪が揺れる。
同じように黒い瞳は、待合席であろうソファーへ促すように動いていた。
「あ、じゃあ失礼して・・・」
今時なかなかお目にかかれない猫足の黒いソファーに、両手をつくようにして座った。
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