12人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
「うわぁ…」
倒れた龍飛を覗き込む響と
「ひ、響が悪いんだぞ!」
俺は悪くない!と言い張る陸徒
「いたたた…」
そして涙ぐむ龍飛
そこへ
「何してんだ、お前ら」
と、低い声が響く。
落ち着いた大人な雰囲気を醸し出している男と
「…」
無言でその男の斜め後ろに立つ長身だが細身な男。
「「「政景さん!」」」
その大人な雰囲気を漂わせている男こそ、この4人の兄貴であり、暗殺一家「橘」の主、「橘 政景(たちばなまさかげ)」であった
「おい氷翠、龍飛の傷見てやれ」
「はい、政景様…」
「氷翠(ひすい)」と呼ばれた細身な男は橘家の三男であり治癒や術式を得意とする者であったが、政景にしか懐いておらず、政景に拾われてからは政景の指示にしか従わなかった。
「で、また喧嘩してたのか?」
政景は陸徒と龍飛の前まで来て仁王立ちして問い掛けた
「だって、陸徒が構ってほしそうだったんだもん」
「はぁ!?何言ってんだ!元はと言えばお前が悪いんだろ!」
政景の前で又もや喧嘩に発展しそうな二人
「テメェら…ちっとも反省してネェだろ…!」
「「!!」」
そんな二人に苛々して来た政景は二人を睨付ける
「龍飛が怪我するとどうなるかくらい分かるだろ!?俺が大変なんだよ!」
最初のコメントを投稿しよう!