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「いいからいいから。とにかくだな、愛には様々な種類があるわけだ。例えば男が女に――人が異性に愛してると告げる。そのような場面を第三者が見れば、普通は恋愛へと繋げるだろう。だが、もしかしたらそれは、友愛や親愛といった、家族や友人へと向けるような愛かもしれない。親しい異性ではなく、親しい友人と見てるのかもしれない。結局は言った本人にしか、その真相はわからないわけだ」
「ふうん。……ちょっと待て。もしかしてお前、俺の告白をそんな風に受け取ったの? 違うよね? 俺、すげー冷たくふられましたよね?」
「しかしそれらの感情は、本来向けられるような関係の人間へ向かわない場合もある。実の子供や両親に暴力を振るう者もいれば、血の繋がりを持たない相手を家族として愛する者もいる。異性へ友愛もあれば、同性への恋愛もある。まあ、愛情もそれに付随する関係性も人それぞれという事だ」
「俺の話は無視か? 告白も俺もなかったことにする気か? 実は黒キャラなのか?」
「そんな訳ないだろう、失礼な奴だな。だからお前はモテないんだ」
「いや、モテてるよ? 彼女作ったことが無いだけで実際はモテモテなんだぜ?」
「嘘を吐くのは感心しないな。お前がモテないという事は、すでにネタが挙がってるんだ。観念しろ」
「ちょっと待て! そんなネタがどこから挙がったんだよ!」
「確かな筋からだよ。正確に言えば、お前の幼馴染の一人だ」
「明らかに不確かな筋だ!」
「そうなのか? これほど正確な情報は無いと言っていたんだが……」
「そこまで不正確な情報もねーよ!」
「ん、そうか。ならば後で、その筋を絞めておくさ。――で?」
「……言っとくけど、嘘じゃねえからな。バレンタインとかヤバいからな。チョコの量半端ないんだぞ。下駄箱とか、中から溢れる程度じゃねえからな。埋もれるんだからな、下駄箱」
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