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くすくすと小さな笑い声が、薄暗い室内に響く。
「どうかしましたか?総長」
「……なんか面白いことになりそうだなと思って」
「は?」
サトシは訳が分からないというような顔をして、ソファーに座ったシキを見た。
「わからないか?……まぁ、いい。使える手駒は、多ければ多いほどいい」
笑みを浮かべた顔は、端整な造りのせいか、やけに冷たく感じる。
元々、シキはあまり感情が豊かな方ではない。
彼の感情が動くのは、よっぽど興味を惹かれた時か、逃げ場のない所まで相手を追い詰めた時だけだ。
今、シキが興味を持っているものなんて、飛鳥のことくらいしかない。
(……まさか?)
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