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その一発は、天城の想像をはるかに超えていた。
両手で握っていなければ、とっくに肩が外れていたその威力は、
扉越しの至近距離で、オヤジの言う通り、二人同時に貫通して撃ち殺すまでのものだった。
牽制の為にもう一発発射しても、また二人…。
その場にいた全員、撃った天城すら震え上がっていると、
部下を盾にして生き延びた山田はすかさず、エレベーターのドアを閉じるボタンを押し、
救援を呼ぼうと片っ端から上の階を押していった。
天城は閉じたドアに向けてもまた一発発砲。
弾は硬い何重にも重なったドアを貫通して中まで飛んだが、
昇り際、また一人部下を撃ち殺すまでにしか至らなかった。
詰まらせていた息を深く吐き、ドアに背をもたれてへたりこみながら、
「…カンベンしてくれよ、オヤジ…。こんなモン持たせやがって…」
天城は、この銃の言い知れぬ恐ろしさを身を持って知り、
そんな風に愚痴をこぼした。
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