名もなき老人の詩(3)

33/57
前へ
/819ページ
次へ
ぞろぞろとスーツ姿の男達が、自動小銃を持って黒のワゴンから降りてくると、 中の人間に向けて、容赦なく引き金を弾いた。 「!!っ…お、俺らまで…聞いてねえぞっ!!……ウッ!……」 叫ぶ社長の言葉も虚しく、鉛弾が止む事なく、倉庫内全員の身体中に刺さっていく。 抗戦する余地もなかった。 その場で倒れ込む者、 血を吐きながらも、まだ逃げようとする者…。 倉庫内は一瞬にして、鮮血が飛び散る惨劇の場と化した。 しばらくすると、スーツを着た男の一人が、携帯端末で一人一人の死体を照合。 予定人数と始末する予定だった者が全て一致すると、 そのまま携帯端末で、どこかにメールを送った。 これによって、官庁にある東のデータは、死亡扱いとなったのである。
/819ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3085人が本棚に入れています
本棚に追加