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「ご苦労様。用意した場所があるから、トクちゃんのナビに従って、連れて来てちょうだい」
「了解」
「楽しみは…これからよ」
マダムはもう一つの気掛かりであった、警視庁の中の様子に目を向けた。
エレベーター前は、死体を片付けても既に血まみれの状態であり、
誰か他の者が見つけた瞬間、大騒ぎになる。
山田達を連れ出すのは、もしかしたら無理になるかもしれないと、
そう半分諦めかけていた時だった。
山田の携帯に、部下からの着信があり、
「車の手配が出来ました。内部に潜んでいた不審者も捕らえる事が出来ましたので、至急、地下駐車場にお願いします」
これでエレベーター前の血の痕の理由が成立すると、
山田達は少し安堵の空気を出しながら、何の疑いもなく、揃って地下駐車場へ出向いて行った。
死体は全て、階段の踊り場に山積みにされているのも気付かず…。
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