名もなき老人の詩(4)

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天城は愚痴をこぼすだけで済んだかもしれないが、 穏やかでいられなかったのは、血の海と化したエレベーターに残された、山田と細川である。 部下を、あっという間に全員殺された。 それが、どこかで見た警察きっての暴れ者の仕業と知ると、 二人共、錯乱するよりなかった。 「ど、どうするんですか!どうしたらいいんですか!山田さん!」 「うるさいっ!!俺に聞くな!!…と、とにかく…応援を呼ばないと…」 そして、また再び山田の携帯に着信が入る。 血まみれの手で、恐る恐る通話ボタンを押すと、 『おいおい、行く場所が違うぜ?おめえらの行く場所は…もう地の底の地獄しかねえって決まってんだ』
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