名もなき老人の詩(4)

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そうして押したボタンの階に一回も止まらず、 最上階まで急上昇している事に、ようやく気が付いた。 「!…止まれ!!一体どうなってんだ!!」 『相米さん、残りリミット三分です』 「ふぅ~…充分だ」 叩きつけるような衝撃と共に最上階に到着すると、 エレベーターの天井が開き、待ち構えていた相米が中に侵入した。 すぐさまへたり込んで座っている細川の腹部を踏み付け、 吸っていた煙管の火種を山田の顔に飛ばすと、 「…ちょいっと、大人しくしてろよ?」 そう言い放ち、今度は急降下する室内で、二人を、気絶するまで殴り続けた。
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