名もなき老人の詩(4)

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「…あの子に稼がせてるのも、その為の金って事か」 「安心なさい。あの子の稼いだお金には何の期待もしてないわ。…この一件、先に別の方から依頼があったの…」 「ああ?」 「依頼人は、私以外知ってはいけないの。それが…私達のルールよ。 稼いで受け取っても、あの子に返すつもりでいたわ。だから、どうぞ遠慮なく、それを受け取って…」 天城はしばらく考え込むと、足元のAの札束を拾った。 「…それじゃ、そのルールに乗らせてもらうぜ。 だがな、これっきりだ。二度と俺の目の届く所で仕事すんじゃねぇぞ。 もし見つけたら……」 と、言いかけた時、上から到着したエレベーターのドアが開き、 気絶した二人の前で仁王立ちしている、相米と出くわしてしまった。
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