名もなき老人の詩(4)

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数日後。 全裸で罪を自白している動画が、ネットやマスコミを騒がし、 石井ら他二人は、バーナーで顔や全身を焼かれた姿で、早朝、どこかの交番の前に、捨てられていた。 警察省はこれに対し、自らの体面を保つ為に、ごく一部の者達が行った犯行として、 虫の息である石井らを即刻捕まえ、やがて死刑に処した。 これら一連の陣頭指揮を取ったのは真島であり、 彼はこれをきっかけに、警務補佐官の役職へと、出世を果たした。 「はぁん…そういう事か…」 ラブホテルの一室。 新聞を見ながら天城は、誰がこの一件を依頼したか、何となく、気が付いた。
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