序章

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遡ること6時間前、第572代内閣総理大臣細川宗嵩(ホソカワ ムネタカ)は総理官邸で激怒していた。   「一国の首脳である私が知らない間に、このような凶悪な法案がなぜ国会に挙がっているんだ!」   凶悪な法案とは、先ほど葵が述べていたものと同一である。   「せめて黒幕が分かればいいのだが・・・。」    この法案は提案者こそ、細川になっているのだが、自身には全く身に覚えがないものだった。   黒幕に対して憤りを感じ、また何も手を打つ事ができない自分の不甲斐無さを恥じているのも確かであった。   決議の時刻まで、時は刻々と過ぎてゆく。
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