プリンツ(王子)

18/18
1464人が本棚に入れています
本棚に追加
/598ページ
エーデルは跪き、それぞれに一礼した。 「立ってくれるか」 壇上の男が言う。 エーデルはためらいながらも立ち上がった。 「ベルグの娘だそうだな。父君には幼い頃より世話になっている」 男はエーデルに丁寧に話す。王子と同じ髪質の、髭を蓄え、体も兵士のように逞しく貫禄があった。 エーデルは返事の代わりに一礼する。 「ああ、言い忘れたが私が王子の父であり、王のエアデだ。初めまして」 そう言って、エアデ王は屈託なく笑う。
/598ページ

最初のコメントを投稿しよう!