フラグ1§転入生§

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 ……ダメだ、全然テンションがのりきらない。  混乱って本格的に人間の思考力を奪うんだね。  しかし、問題は彼女。  話を聞く限りでは俺と接点があるらしいが一体。 「はぁ……まさか忘れてるとは。せっかく良い話かと思ったのに」  溜め息をつく母。  なんだろう、このやりきれない気持ちは。  何か、凄く嫌な予感がする。 「じゃ、せめて少しくらい償いをしてもらわないとね」  そう言うと、母はうなずいた。  償い? 一体何を…… 「今日から寝る時は二人で寝なさいね。布団は一つしか渡さないから」  なるほど。  二人で入った方が布団はあったかいものね。  やっぱり人肌は何よりのホッカイロ。 「……ってふざけないでくれ!」  俺の顔を睨む母。  悪いがこれだけは譲れない。 「なんでそんなことになるんだ」 「あんたが忘れてたから」 「そうじゃなくて……」  俺は悔しそうに母を睨む。  しかし、母はそれをいとも軽くあしらった。 「じゃ、一晩頑張ってね」  母の一言は切なく俺の頭に響き渡った。
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