フラグ1§転入生§

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「少し話そうか」  俺は布団の上に居続ける葵に向かってペットボトルを投げた。  彼女は危なっかしい動作でそれを受け取る。  俺は俺で、自分様に買って来た缶コーヒーを開けると口を付けた。  夜にコーヒー飲むと寝れないとか言い出す奴等がいるが、個人的な意見を言わせてもらえば、そんなことはあり得ない。  俺なら寝たいときは寝たいとき。  いつ何時でも俺なら寝たいときに寝れる。  絶対の自信でもってそう言える。  彼女がジュースを一口含むのを待って、俺は続ける。 「何だって俺何かと結婚だとかそんなことをしに来たんだ?」  立て膝をついたまま言うと、彼女はうつ向いた。  ショートの髪が切なく目に影を作る。 「ご迷惑……でしたか?」  絞り出す様に、彼女は言った。  ジュースを持った手が小さく震えている。 「そういう事じゃない」  俺は立てた膝にコーヒーを持った手を乗せ軽く振った。  コーヒーが波音を立てる。  残量は三分の二くらいだろうな。  重さから推察するにそれくらいだろう。 「だって、さっきからの態度は……」 「俺が言いたいのはどういうつもりで来たかってことだ」
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