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少しキツイ言い方になったかもしれない。
そう自覚出来た。
良く、クラスメートには冷たいとか、気配りが足りないとか言われるのはこの辺に言われがあるのかもしれないな。
案の定、彼女は一層、縮こまる様になってしまった。
俺は本日何度目か分からないため息をつく。
「私はお嫁さんに……」
すっかり彼女は怯えていた。
俺は不器用ながらに、今の本来言いたかったことを伝えようとする。
「そんな風に自分を安く売るのはよくないんじゃないか? 正直、自分で言うのも何だけど俺はそんなすげぇ奴じゃねぇ」
俺の言葉に、彼女はガバッと顔を上げた。
「そんな、蛍さんは――」
「親が言ったから結婚する。そんな理由で此処にいるのだとしたら帰った方が良い。一生を共にする相手なんだ。自分で選ぶ――」
「自分の意思です!」
彼女は強く言い放った。
むしろ、俺の方が軽く引くくらいに。
「私は自分の意思で此処にいます。本気で、蛍さんのことが好きなんです。本当の本当に好きなんです!」
彼女は泣いていた。
俺はうわぁ、と目を伏せる。
何故か知らないが、昔っからこういうのは苦手だ。
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