59人が本棚に入れています
本棚に追加
「ちょっと不可抗力的な上、俺の意思を超越した事象が起きたせいで早く起きるはめになったんだ」
俺は自転車のスピードを緩めながら挨拶がわりの一言。
「蛍君、不可抗力の意味がかぶってますよ」
俺のスピードに合わせる様に、自転車にまたがりながら陸が言った。
他の二人も同じ様に自転車に乗るのを見て、スピードを上げる。
……被ってたか?
たまに、彼のツッコミは分かりづらい。
まぁ、そんなことは一々気にするまでもないけどな。
「不可抗力的って……朝から塩ラーメンが出されたとか?」
「俺は味噌ラーメン以外は食わん。いやぁ、先週、華僑裸麺で食べたしょうゆラーメンの味は絶品だった」
「何処よ、その店」
「いや、君たちさっきからツッコミの場所を間違い続けてるからね」
俺とワトソンの会話に陸のツッコミ。
やっぱり、俺達の会話には理解しづらくとも陸が必要だ。
ツッコミ無しで生きられるほど、世の中スウィィートくない。
因みに、“ウィ”の部分の発音がポイント。
思いっきり、唇を吊り上げる様に思い切って行こうか。
そして、それを山手線内で高らかにやれば、君も立派な変人の仲間由紀恵。
おめでとう!
一躍、大女優だ。
最初のコメントを投稿しよう!