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「なんと! 高校にもなって転入生だ!」
「先生、人間ですか?」
「あぁ、人間だ」
「高校生ですか?」
「あぁ、高校生だ」
「バナナはオヤツに入りますか?」
「あぁ、オヤツだ」
「バナナマンはオヤツに入りますか?」
「あぁ、オヤジだ」
クラスの喧騒は遠い。
っていうかバカの比率がおかしいのでは?
「とにかく、入ってもらおう。どうぞ」
――ぷしゅー。
空気の抜けるような音と共に足元に寒気。
ドライアイスでも焚いているのか?
それ以前に転入生の入場に金をつぎ込み過ぎのような気が。
――まぁ良い。
俺は寝るだけだ。
意識を手放す直前、最後に聞いたのは、鈴を転がす様な美声だった。
「はじめまして。福沢葵と申します。蛍さんの奥さんになる為、転校して来ました」
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