フラグ1§転入生§

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「――さん。ほたるさん!」  身体が激しく揺れていた。  意識の端っこの方で声がする。  あぁ、どうやら夢の続きの様だ。 「起きて下さい、授業始まっちゃいますよ」  揺れる頭、耳元での囁き。  魔王はさっき倒した筈だ。  聖剣エクスカリバーを頭に突き立ててやった。  これ以上の仕事はオーバーワークだ。  残業代金を払ってもらおうか。 「残業どころか、始まってすらいませんよ」  なんと酷いことを。  まさか、俺に二重人格なんか期待しているのではあるまいな。  生憎と、俺はいきなり戦闘能力の上がるもう一つの人格や、引きこもりで天才な友人とは無縁だ。 「もう……あの起こし方するの? は、恥ずかしいんだよ」  何をおっしゃるか。  天上天下唯我独尊。  この蛍、逃げも隠れもせぬわ! 「うぅ……」  顔に違和感。  ひんやりとしたものが両頬に触れている。  これは一体……
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