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浮気
「お父さん､恋人にはもう会ってないんでしょ？」
夕食を終えた食卓で､私は素っ気なく尋ねた。
「ぶ…っ!!」
父はお茶を気管に流してしまったようで、ゲホゲホとむせ返っている。
「…もう行ってないよ。」
「もう会いに行かないって言ってたの本気だったんだ？
これまでは月に２回位行ってたのに。」
母親は知らないことだったので、驚いたように父と私をみつめている。
「年が明けてから一度も行ってない。」
「恋人はお父さんのこと待ってるんじゃない？
本当に行かなくていいの？」
真意を探りたくて、つい深追いしてしまう。
「…………………。
実はさ？喫煙者が新年の意気込みに"禁煙"って書初めするだろ？
あんなノリなんだよな(笑)」
「じゃあまた"つい"とかで行くかもしれないってこと?!
やめてよ！
お金すぐ無くなっちゃうじゃん!!」
つい感情が入り、強く言ってしまう。
「ああ、行くかもな～(笑)」
父があまりに軽く答えたところで､母がその頭の輝きを…
じゃなくて父を強く睨み付けた。
「あんたら…私そんなこと知らなかったわよ!?!?
さっきから何の話してんのよ！恋人って…あんた…」
「「パチンコ(恋人)の話だよ。」」
「ああ、そう。」
うわき【浮気】
心が浮わついて変わりやすいこと…
我が家は今日も平和です！
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