嘘つき少年と孤独少年

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すると先輩はちゃんと受け取ってくれた。「!ありがとうございます、間違えやすいですよね、僕も良く間違えるんですよ…リンゴジュースと牛乳…隣同士って嫌ですよね」にこにこしながら話す先輩に目を向け相槌を打ちながらも心はパニックを起こし始める。まだ?まだ飲んでくれないの?早く飲んでほしいのに!!すると私の心のパニックに応じてくれるようにやっとリンゴジュースの蓋をカパッと良い音を立てて開けてくれた。「じゃあいただきます」ニコニコと何時も通り素敵な笑顔で私に笑いかける。他の奴にこの笑顔を見せるなんて烏滸がましいわ。嫌よ、先輩は私のモノになるの、他の奴になんて見せたくない。一生、ね。 ガチャンッ、ビシャッ、トサッ 不意に聞こえた音と私の方にのし掛かる先輩の体重と体温。そこまで重くない体重にそこまで暑くない体温。想うだけで息が上がりそう…!!思った以上にサラサラな髪が私の頬をそっと撫でる。とても綺麗な色素の薄い黒。色素が薄いからうっすら青にも見える。目も少し薄い色をしてる。綺麗、吸い込まれそうになる。…? …………………。 ふと感じた視線。顔をあげれば誰もいなくて。確かに視線を感じたのだけれども、気のせいかもしれない。私のその時の気のせいは気のせいじゃなくて、これから起きることを予想しとけば良かったと今に後悔する。
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