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「やる気のある奴だけ聞いてくれ....秋季大会を前にしてメンバーが足りない....ポジションの希望があったら言ってくれ。」
誰も聞いてない....
「おまえら、最初から野球やる気なんてねーんだろっ!?」
広瀬がキレた。
「当たり前だろ?」
さっきの元サッカー部が横を向いたまま答えた。
「こんな弱い野球部に入ってやっただけでも感謝して欲しいぜ....廃部を免れただろが。」
他の奴らもニヤニヤしながら見ていた。
「何だとっ?テメーふざけてんじゃねーぞっ!」
広瀬が掴みかかろうとしたのを俺は止めた。
「よせ広瀬、こんな奴殴っても仕方ねー。」
広瀬はかなり興奮していたが俺たちに止められてなんとか収まった。
「走るぞ。」
俺はグラウンドを走り出した。
後ろから6人が無言でついてきた。
ここにいたらまた広瀬がキレると判断した俺は学校を出て河川敷に向かった。
俺たちは河川敷でダッシュを繰り返した。
みんな無言のままだった。
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