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今までに経験がないくらい俺たちは走った。
悔しくて情けなくてどうしようもなくて....ただ走った。
それから土手に並んで寝転がった。
最初に口を開いたのは広瀬だった。
「さっきは....悪かったな。」
散々走って頭が冷えたみたいだった。
「いや、広瀬の気持ちはわかるよ....俺だってあと少しでカラータイマー点滅だった。」
俺の言葉に全員が笑った。
「ウルトラマンかよっ!」
松本、もうちょい気の利いたツッコミ頼むよ....
1年の富士見が起き上がりマジな顔で話し始めた。
「あの....俺たち1年としてはマネージャーさんが入ってくれて嬉しいんですけど、何か野球やりにくくなったというか....すいませんっ!変な事言ってすいませんっ!」
「いや....謝らなくていい。」
柏が富士見を見た。
「俺だってやりにくいからな....マネージャーが凄すぎて....」
今井結花が何故俺たちみたいな弱小野球部のマネージャーになったのかは知らない。
それが気紛れなのか何なのか....でも....
彼女に罪はないんだよな....
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