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俺たちが学校へ戻るとグラウンドに部員はいなかった。
当然マネージャーもいない....
監督の姿もない....
「なんだかなー。」
でも正直ホッとした俺がいた。
「練習しようぜ。」
俺と松本はピッチング、他は広瀬を中心にノックを始めた。
俺は投げる前に松本の所に駆け寄った。
「ちょっと試したいのがあるんだ。」
松本が不思議そうな顔をした。
「何?」
ゆうべ寝る前に本で読んだ憧れの球種。
「スライダー。」
松本が目を丸くした。
「か、川中....投げれるのか?」
俺は首を横に振って答えた。
「いや、投げれればいいなと....」
松本は肩を落としため息をついた。
「なんだ....」
その態度に俺はちょっと腹が立った。
「まだ投げてもいないのにそれはねーだろっ!とりあえずやってみるからっ!」
松本を座らせて俺は投球モーションに入った。
握りはこう....
切るように....
「ふんっ!」
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