episode.3

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「気をつけてね。」 玄関に座って靴紐を結びなおしていると、うしろに智稀が立つ。 突然の声にびっくりして振り向くと、悠也も一緒に立っていた。 「「いってらっしゃい!」」 二人は、優しい光を放つ茶色い大きな瞳を綻ばせ、にっこり笑って見送ってくれる。 (だから……新婚家庭かよ…。) 「い、いってきます……。」 笑顔で送り出してくれる親子にこちらも笑顔を返す。 智稀の部屋を後にすると、先程の出来事が急に恥ずかしくなり、その場にしゃがみこんでしまった。 「どうかしましたか?」 前から人が歩いてくる。 心配そうな声だ。 .
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