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そのタイミングで、レンカが起きて「うゅ……?」とねぼけ声をあげた。
目が覚めたら敵対していた女の子が手を繋いでいるのだ。びっくりもするだろう。
「ね、レンカちゃん?ハルカさんと一緒に寝てもいいよね?」
「すみません杏菜。まったく話についてけないです」
レンカにだけはタメ口で話す杏菜がレンカに問いかけたが、レンカは首を傾げるだけだ。
俺はレンカに耳打ちしてこれまでの事情を話す。大体お前、審判するとか言っときながら寝るってのはどうかと思うが。
「なるほどです。でも……今日は店に団体でお得意様のお客さんが来るんです。あんまり私たちが騒ぐと、お父さんたちもお客さんも困ります」
女の子三人の声なんぞ客の喧騒にまみれて聞こえなくなるだろう……と思ったが、この三人……特にハルカさんが居るととてつもないことになりそうな気がしなくもない。
店のメンツにも関わることだから、レンカとしても店の事情を優先させたいのだろう。不景気だしな。
「なら私の家……、と言いたいとこだけど、今日は無理なんだよね」
「ふみゅみゅぅ……。じゃあお泊りできませんね……」
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