波風

36/37
前へ
/235ページ
次へ
さっきまでの威勢はどこに行ったのか、頭をぶっ叩かれたウサギのようにしょんぼりする杏菜。 一方、こちらもウサギっぽいツインテールのレンカは冷静な顔で杏菜の横に歩み寄った。 所在無い様子のハルカさんは俺の腕に抱きつく。…………いやいやいや、ハルカさん、どさくさに紛れて何してんですかノォォォォォォォォウ!ふんわりやわらかボリュームたっぷりな胸を押し付けられて例の発作が!あばばばばばっ! 「ハルカさん!ギブ!ひとまず離れてくださいっ!」 「えー、いいとこなのに」 とか文句を言ってもちゃんと離れてくれるあたり、俺のことは尊重してくれるらしい。 ……しかしまあ、ハルカさんが今までに「陣くんの家に住む!」とか言い出したりしないで良かったぜ。 一緒の家で一晩を過ごそうものなら、俺の体は到底無事では―― ――待てよ。俺の家? 「おいレンカ。これからどうするつもりだ?」 何か策略ありげな幼なじみに訪ねる。
/235ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6615人が本棚に入れています
本棚に追加