紙飛行機

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春の陽光が教室を照らす。窓から風にのって桜の花びらが一枚・・・・・ 今日も、担任の今岡が個名をしている。 僕は、一番窓際最後尾の席。ここは太陽の光が入りポカポカと暖かい。うちのクラスは、31人男子は16人、女子は15人。そう、1人は余ってしまう。だけど、人と絡む事が苦手な僕は、この1人の席が一番気に入っている。 「目が痛い。昨日、ゲームやりすぎたかなぁ・・・・・寝たのも3時過ぎてたし、今日は、午後の授業は・・・・・えっ!?数学?今日は水曜・・・・木曜っ?」 しまった・・・・・慌てて水曜日の授業の準備をして来てしまっていた。マズイ・・・・・心の中で俺は、殺されると思った!何故なら我がクラスの数学担当は空手部顧問兼、生徒指導部担当の児山だからだ。教科書を忘れた何て言ったら・・・・・(死)間違いなく 数学は、5時限目。昼休みのうちに仮病で早退するしかない。僕は、仲が良いクラスメートの山河に頼んで担任の元へ行き、おもっいっきり演技した。 「はぁ・・はぁヤバイです先生、熱があって吐き気もあります。これ、体温計です。熱も39.8もあります」 「熱なら仕方ないか、おい山河!寺西の荷物準備してこい。「荷物なら準備してあります。」 一階へ降りる階段で俺は、山河へ精一杯の感謝をのべていた。 「本当助かったよ。お前の体温計作戦、ズバリ成功したな。」 「まぁな!俺もあれで前、早退することに成功したからさ」 得意気に話す山河の体温計作戦とは、家から体温計を持参し、カイロで暖めておくというもの。成功の鍵は、学園の体温計と家の体温計が一緒だということらしい。こうして俺は、数学の授業をうけずに帰ることに成功した!
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