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時計を見た。まだ午後1時を回ったところだ。僕の通う学園から家までは車で40分、歩くと1時間以上はかかる。この道のりを、僕は、電車とバスを乗り継いで通学している。
駅に着き、売店で立ち読みし、菓子パンを1つ買い駅のホームでパンを食べながら携帯をいじる。まぁこれが僕のライフスタイルの1つだ。
電車での移動時間は、20分くらいで最寄りの駅に着く。駅からは、徒歩になる、家までは少し距離がある。この通学路は、中学、高校と5年間通っているけど、いつも不思議な感じがする。まず、最初に見えてくるのがもう何年も人が住んで無いであろう古びた塗炭屋根の家があり、壁には蔦の用な物が生え地面には、すでに束縛することができない雑草が生い茂っていた。
この家は、人のかわりにたくさんの猫が住み着いていた。その為、猫屋敷などと呼ばれ学校帰りの小学生の格好の遊び場と化していた。この猫屋敷を通りすぎ、小さい空き地を抜けると寺澤家が見えてくる。
「・・・デカイ・・・」
この街一番の金持ちと言っても皆信じるだろう。
「ここはよく通るけど、庭に人が要るとこ見たことないかも!」
そんなことを考えながら歩いていると、目の前に一枚の紙飛行機が飛んできた。 「!?・・何っ?紙飛行機?いったい何処から・・・・・」
僕は、周りを見渡しふと寺澤邸の窓の開いてる部屋を見つけた。
紙飛行機は、この部屋から飛ばされたものらしい。
周りをよく見ると紙飛行機だらけだった。10~20くらいはあるのではないだろうか。僕は(あの部屋にいる誰か、恐らく子供?が飛ばしているのだろう)と思った。
「それにしても、散らかしすぎだろぉ!」
僕は勇気を出して言ってみた。
「窓からゴミを棄てないでください!」
恐ろしく小さな声だった。あの2階の部屋まで届くはずもなかった。普段から僕自信こういう目立つことは、頼まれてもやりはしない。また、白い紙飛行機・・いやただの紙くずにしか見えないものが僕の頭に見事に命中した。馴れないことをすると、いつも損をしてしまう、この運の悪さは、神様でも変えられないだろう。
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