紙飛行機

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家に着いた時には時間は午後3時を回っていた。あの後近所の駄菓子屋で買い食いをし、帰路についた。 二階に上がり、バッグを机に置いたあとベットに倒れこんだ。 「やっぱ教科書忘れたくらいで早退は大袈裟だったかなぁ・・・・・でも、前に隣のクラスの男子が数学の教科書借りに来たとき断ったら、凄い慌ててたし借りようとしてたことが児山にばれて、とんでもないめに逢わされたって言ってたからなぁ」 「今日はビックリしたなぁ。寺澤邸に人が住んでるとは思わなかったもんなぁ・・・・・」 昼間の出来事を振り返り僕は考えていた。あの女の子はいったい誰なのか?何故庭に紙飛行機を飛ばしていたのだろぅ・・・・・ (・・・・・ここは、何処だろぅ?)気が付くと僕は深い霧の中を1人で歩いていた。(行かないと!)誰かに呼ばれている。僕は、呼ばれる方へ歩いていった。しばらく歩くと、次第に霧が晴れてきた。 目の前に門らしき物が見え、目を凝らしてよく見ると門の奥に大きな建物が見えてきた。(これって寺澤邸?)窓の位置、門、何よりも昼間見たばかりだから、見間違うはずがない。これは間違いなく寺澤邸だ!!僕は、昼間の事を思いだし二階の窓を見た。誰かが手を振っている!僕は、呼ばれるように門を乗り越え窓の下まで来た。やはりあの女の子だった。昼間の時と違い、僕を見て笑っていた。 僕は、勇気をだして名前をきいてみた。 「君ってここの子?僕、この近所に住んでる寺西・・、寺西 春一って言います」
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