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時刻は夜、月の明かりだけが道を見分けるたよりである
みんなはもう寝静まりあたりはしんとしている。
タッタッタッタッタッ!!
そんな静寂を破る女性の足音、女性の身なりはみすぼらしかったが、高貴な雰囲気がにじみ出ている
その女性は赤子を大事そうに抱えながら走っている
女性「はぁっ はあっ はっ・・・痛っ!」
ついに彼女は足がもつれ硬い地面に叩きつけられてしまった。しかし赤子はすやすやと眠っているようで、この子にはこの状況は全く理解出来ていないだろう。
女性「大丈夫?
もうすこしでつくからね・・」
赤子は起きる様子はなく、母親であろう彼女の腕の中で気持ちよさそうにして眠っている
女性「ふふ・・・。この状況でも起きないなんて、将来が楽しみだわ」
などと独り言を言っている合間に彼女は目的地に着いたようだ
今彼女がいるのは小さな村であり、建物といったら家か風車くらいしかない。
入り口にはさびれた文字で“キーファ村”と書かれている
女性「さぁ・・・。ここでお別れよ。私は早くあの人のところにいかなくちゃ
あなたは幸せになってね。私達の分まで」
女性は名残惜しそうに赤子を家の近くにそっとおろしその子の額にキスをして自分の首にあった首飾りをクレアのそばに置いて去っていった
女性「元気でね・・・私の愛しいクレア」
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