1.流離う者たち

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無数の光の欠片が散らばった闇の世界。 分厚いガラス越しに手をかざすと、闇はひんやりと冷たく、徐々に体温を奪い取っていく。 いつ眺めても変化がない。 だが、ベルティスは知っている。 光のような速度で移動している自分たちを囲む景色は、刻々と移ろいで行っているのだと。 景色。 果たして、景色と呼べるほどのものだろうか。 窓の外に広がる景色は常に星空だ。 頭上はもちろん足下も。 透明ガラスに囲まれたこの場所に立つと、宇宙空間に放り出されたような錯覚に陥る。 (だけど、好き。この場所が)
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