霞む道の行方
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『怪我はない…な。』 馬から降りて、紗霧を縛っていたものを解いてくれた。 『ふぅ…、はい。ありがとう…ございます。助かりました…。』 まず一息を吸い込み、礼を述べる。 解放された安心感が全身に渡る。 『そちらが無事ならいいさ。』 軽くそう返すと、彼はもう一人の元へ戻ろうとしたが…。 しばし止まって、静かに弓を構え始める。 その矢先は短剣を隠す男を狙っていた。
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