一番:追われる彼女と巻き込まれた彼氏

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「うっ、がっ、ごっ、ぼべしゃっ!」 あまり人の体、特に自分の物で聞きたくない音を数回立てて 傾斜四十五度の鋭角に頭やら腰やらを打ち付けていく。 どうやら僕が転げ落ちた所は階段だったらしい。 最後に鉄網の壁をぶち抜いて ぐるぐる回る視界はようやく落ち着いた。 ばりばりのインドア派である僕の体は 複数の打撲の痛みで悲鳴をあげていた。 いや、この際インドア派とか関係ない。 すっごい痛い。 「カズラー……」 原因であるカズラを恨みがましく睨みつけてみるも、 当の本人(植物もどき)も先ほどの階段落ちで 相当なダメージを負ったらしい。 花や葉っぱをしんなりさせて僕の背中に崩れ落ちていた。 そしてそのカズラの視線(と思われる)で、 僕は自分の下に人がいる事に気付いた。 そういえば、最後の衝撃はこころもち柔らかかったような……? その触れれば切れそうな整った顔立ちと 衝撃のハプニングで僕は数秒停止してしまった。 あ、結構まつげ長い。 うっかり目が合ってしまった。 近い。 すっごい至近距離。 「……おい」 「はいっ!」 下敷きになっている人は眉間にしわを寄せてしかめっ面だ。 そりゃそうだろうが。 .
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