一番:追われる彼女と巻き込まれた彼氏

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「…………降りろ、とりあえずよ」 「ごめんなさいっ!」 色々言いたい事があったのに とりあえず事態改善を優先した間だろう、今のは。 とにかくこれ以上事態を悪化させたくなかったので、 僕は早々にその人の上からどいた。 「いきなり頭上攻撃かよ、度肝抜かせるぜ…… ったく」 ぶつぶつと呟きながらその人は パンパンと服についた砂を払った。 よく見たら女の子だった。 革のジャケットと簡素なジーパンが スポーティなかっこよさを醸し出している。 しかも若干僕より背が高い! 女の子を下敷きにするなんて 悪い事しちゃったかな 「おし、それじゃ」 と思う間もなく、 身だしなみを整えた女の子は ハイスピードで僕をぶん殴った。 うん、だから悪かったかなって思ったのに。 いきなりストレートはないんじゃない? 拳の見えないパンチなんて初めて見た。 階段落ちをさっき体験させたばかりだというのに、 更に数メートル吹っ飛ぶ僕の体。 ごめんね、本当はもっと大事に思ってるんだよ僕の体。 しばらく激痛に動けず、 起き上がれたのは数秒後の事だった。
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