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「…………降りろ、とりあえずよ」
「ごめんなさいっ!」
色々言いたい事があったのに
とりあえず事態改善を優先した間だろう、今のは。
とにかくこれ以上事態を悪化させたくなかったので、
僕は早々にその人の上からどいた。
「いきなり頭上攻撃かよ、度肝抜かせるぜ……
ったく」
ぶつぶつと呟きながらその人は
パンパンと服についた砂を払った。
よく見たら女の子だった。
革のジャケットと簡素なジーパンが
スポーティなかっこよさを醸し出している。
しかも若干僕より背が高い!
女の子を下敷きにするなんて
悪い事しちゃったかな
「おし、それじゃ」
と思う間もなく、
身だしなみを整えた女の子は
ハイスピードで僕をぶん殴った。
うん、だから悪かったかなって思ったのに。
いきなりストレートはないんじゃない?
拳の見えないパンチなんて初めて見た。
階段落ちをさっき体験させたばかりだというのに、
更に数メートル吹っ飛ぶ僕の体。
ごめんね、本当はもっと大事に思ってるんだよ僕の体。
しばらく激痛に動けず、
起き上がれたのは数秒後の事だった。
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