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これまで隠し続けてきたことが
こうもあっさりばれた事と
連続打撲のショックで
僕の頭はパニックに陥る。
「ああああああああのっ!!!
誰にも言わないで、
この事誰にも言わないでっ!!!」
「あぁ?」
突如として大声を上げながら掴みかかってきた僕に、
女の子は片眉をあげた。
「今まで誰にも知られてなかったんだ、
これからも知られたくないんだ!
お願い、
僕のこの力、
誰にも言わないって約束して!」
必死の懇願に何か感じ取る物があったのか
大泣きしながらすがりつく大の男がうっとうしかったのかは定かでないけれど、
「……分かった」
と、女の子はきょとんとした顔でうなずいてくれた。
その言葉にどれだけ信憑性があるものか
わかったもんじゃないけれど、
とにかく僕はそれでひとまず安心した。
胸をなでおろしてほっと一息ついたとき、
「……わっかんねぇな、なんで隠す必要があるんだ?」
ぼそりと呟く女の子の声が耳に入ってきた。
「え?」
「だってそうだろ?
どうせ話した所で誰も信じやしねぇ、
実際に見せたって手品かなんかと思われるくらいが関の山だ。
だったらもっとおおっぴらに使ったって構やしねぇだろ」
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