二章:彼女が追われていた訳

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「それで……柊さんを連れて逃げちゃったわけですか?!」 途中で大人しく話を聞いていた朱音は なぜかいきなり飲んでいたジュースを噴き出した。 「そりゃ知り合いが警察に追われてたとか知ったら驚きますよ! しかも出会いが柊さんのタックルとか! ……ちょっと待ってください」 朱音の制止に少しギクリとなる。 あたしの力はともかく 柊の力はぼかしつつ言ったから追及されっかな。 一応あの時「言わない」って約束したし…… しかしこいつ、 ここまでファンタジーな話になってるのに なんでそこにはつっこまねーんだろう…… 「警察に追われてたって…… そもそも風香さん、なんで追われてたんですか?」 「器物破損だ」 「物壊しただけで完全包囲!? 一体どんだけ壊したんですか!」 「細けぇ事は覚えてねぇが…… 十階建てビル一個」 「破壊神がいる!!」 顔に手を当てて考え込みながら言ったあたしに 朱音が顔面蒼白になる。 ま、一般人の反応だわな。 「あー、それと。 あん時は傷害罪も含まれてた」 「人殺しまでやっちゃったんですか!?」 「傷害だっつてんだろ。 それに、あたしははめられたんだ!」 .
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