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オーバーなリアクションに反論を返すと、
朱音は怪訝そうな顔で首を傾げた。
「誰にですか?」
「あたしを敵対視してた暴走族チームにだ。
暇つぶしに毎日数十人はぶったおしてたら、
さすがに目ぇつけられてな……」
そりゃ目ぇ付けられるわ!
と言いたげな朱音をスルーして
グラスをあおる。
「しっかしあいつらやり口が汚ぇんだもんよ。
果たし状申し込まれて行ってみりゃ
虫みてぇにうじゃうじゃ待ち構えやがってよ、
挙句の果てに一般人巻き込みやがるんだ!」
「え、じゃあ器物破損は」
「不可抗力だ。
むしろ原因を作ったのはあっち!」
壮絶ですね、
と呟いた朱音は一息ついてジュースを注いだ。
さすがにもうこの時点で腹いっぱいのようだ。
「だがまぁ、
そんな俺が今や元警官の主婦だってんだから
驚きだよなぁ……」
「それはひょっとして柊さんのおかげですかー?
さっ、その後何があったんですか?!」
あ、もう立ち直りやがった。
早っ。
付き合ってられないよというように
黒猫があくびをする。
深夜故に、
静まり返った空間に時計の秒針が進む音が響く。その静寂を破るように
あたしはまた口を開いた。
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