三等:つっぱる彼女と怒った彼氏

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「ただの喧嘩でビル一軒、壊したと?」 そろそろ日が沈みかけた夕暮れ。 共犯扱いされた僕は 彼女に連れられて知らない裏通りへ来ていた。 その間なぜ彼女が警察に追われる事になったかを 問いただしたところ、 僕は開いた口がふさがらなくなった。 その顔が面白いのか、 カズラは嬉しそうに僕の唇を引っ張っている。 前を歩いている風香ちゃんは気にした様子もなく 何かを考え込んでいるようだ。 「そうだ。 なんとかしてこの逃亡生活終わらせんと、 学校に通えない。 もうじき遠足があるし」 学校通ってたんだ、この子。 ていうか何気に遠足楽しみにしてる。 「とりあえず暴れる原因を作った 暴走族共をぼこ殴りにして警察に突き出しゃ あたしのはチャラになんねーかな?」 聞かれてもなぁ…… 完全包囲されるほど危険視されてるんだから 無理な気がする。 「ま、でもあたしはどのみち 刑務所行きにはならねーだろうがな」 自信満々に言い放った言葉に、 さっきの更地でのセリフも気になって 僕は尋ねてみた。 「なんで?」 「んなの決まってんだろ。 女一人が、この腕でビル一軒壊せると思うか? 常識で考えてみろ、無理に決まってんだろうが!」 .
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