三等:つっぱる彼女と怒った彼氏

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「てめぇこそ あたしと同じような力持ってるくせに よくもそうぬけぬけと言えたもんだよなぁ……」 すいません、眼光が怖いです。 逆光だから余計怖いです。 しばらく拳を作って僕を睨みつけていた風香ちゃんは、 何かを我慢したのか 急に向きを変えて電信柱に拳を叩きこんだ。 途端に轟音を立ててへし折れる電柱。 漫画じゃない。 これは漫画じゃないけど まるで漫画のようにあっさりと電信柱が折れた……! あまりの威力に声を失っていると、 「こんな事をしてる場合じゃねぇ。 おめぇに頼みがあんのよ」 落ち着いたのか 額の汗を拭いながら風香ちゃんが言った。 ひょっとして我慢してなかったら ああなっていたのは電信柱じゃなくて僕だったのか……? 一応まだ良心はあるようだ。 .
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