三等:つっぱる彼女と怒った彼氏

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「ああ、ここが……」 一本道を歩くこと数分、僕は風香ちゃんのいうアパートに到着したようだった。 なんていうか、古い。 今時木造で所々草が生えている。 建物に! カズラにはなんとか引っ込んでもらったが、 この分だと興味を示して他の子が出てくるかもしれない。 さっさと事を済まそうと、 僕はそそくさとアパートの中へ入っていった。 かろうじて『一○四』と書かれたのが分かるドアをノックする。 インターホンの機能性は信用できなかった。 「はーい」 高い声の後 ドアがガチャガチャと音を立てて開いた。 「どちらさまですか?」 一瞬宙をさまよった視線は、 下に下げることで小さな男の子を映した。 小学校低学年位のようだ。 目の辺りがどことなく風香ちゃんに似ている。 なんのためらいもなくドアを開けた事にも驚いたが、 それよりも僕はその子の格好に驚いた。 「えーと…… 僕は風香ちゃんに用事を頼まれた則渡 柊と言います。 君は馬上 風太君だよね?」 「はい」 「……なんで部屋の中でコート着てるの?」 あろうことか、その子はコートどころかマフラーや手袋まで完全装備だった。 .
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