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カズラの吐く酸は蟻酸並みのPHだ。
アスファルトを溶かして相手を注目させる位の
白煙を出す事はたやすい。
それにしても刑事さんから逃げちゃったよ、
これって器物破損に入るよなぁやっぱ、
と段々鬱になってきたネガティブ思考は止まらない。
そんな僕を見て、
カズラの酸の説明を分からないながらも
自分なりに解釈したのだろう。
「柊さんは薬屋さんなの?」
風太君の質問にはて、と返答に詰まった。
確かに薬剤師を目指している事に変わりはない。
薬剤師は薬屋さん。
おおまかな意味で言えばそれも合っている。
だけど、カズラや僕の背に生える植物達は
僕が学ぶ薬学には出てこない。
彼らの出す分泌物は効き目が突飛過ぎる。
本当は少し彼らに興味がある。
彼らは何で構成されているのか、
混ぜ合わせてみればどういう効き目をもたらすのか。
だけど、
研究をするなら周りにばらさなきゃいけない。
この力は、隠しておかなければいけない。
「……風太君、さっきの煙幕だけど」
「はい、あの植物ですか?」
「あれは僕が秘密裏に育てている極秘生物だ。
世に出れば大変な事になる、
さっきの事は全体的に是非秘密にしておいてほしい」
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