三等:つっぱる彼女と怒った彼氏

11/18
前へ
/56ページ
次へ
「極秘!? よく分からないけど…… はい、わかりました!」 よし、OK。 やはり子供は子供だ、 秘密とか極秘という言葉に弱い。 「……話は変わるけど…… さっきの刑事さん、『いつもの』って言ってたよね。 あの人そんなにちょくちょく来るの?」 変えた話題に 風太君は少し押し黙った。 僕の手を握る力を ほんの少し強める。 「……来ます。 お姉ちゃん、たまにだけど 暴れるから…… 『なんでそんな事するんだ』って、 『訳を話してみろ』ってすごく構ってくれるの。 お姉ちゃんの事よく考えてくれてる、 きっといい人」 予想通りというかなんというか、 やっぱり風香ちゃんはこの一件以外でも 暴れているようである。 ひょっとしたら逮捕歴がないのも 力のせいだけじゃなくて その刑事さんがかばってくれているのかもしれない。 風太君は長いセリフを言い切った後、 慌てたように弁解した。 「あ、でもお姉ちゃんは暴れん坊って訳じゃないですよ! 毎日僕のお弁当作ってくれるし、 テストでいい点取ったり かけっこで一番になったりしたら褒めてくれるよ! 家はあんなだけど、いつもお姉ちゃん 働いてるの知ってるんだ」 .
/56ページ

最初のコメントを投稿しよう!

150人が本棚に入れています
本棚に追加