三等:つっぱる彼女と怒った彼氏

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ぷいとそっぽを向いてしまった彼女に、 僕は自分の掌をじっと見てみる。 成長しきった身体。 僕は自分でも気づかない間に、 随分と大人になってしまった。 「そんなに大人が信用できない?」 僕が呟いた一言に、 風香ちゃんの目が見開かれるのが分かった。 がばっと起き上がった彼女の眼は 鋭く僕を睨み据える。 「てめぇ」 「風太君に聞いた。 親戚筋の人で君らに支援してくれる人はいないんだって? 家に張り込んでた刑事さんは それも心配しているそうじゃないか」 「! あのジジイ、やっぱり張り込んでやがったのか」 「それも予想してたから 僕を使いにやったんだな?」 僕の言葉にガシガシと頭をかいた後、 風香ちゃんは乱暴に寝転がった。 「そうだよ。 見放されてる理由はお前なら大体予想つくだろ?」 僕の方を見ずに彼女は問いかける。 僕は頷いた。 これまでの彼女の行動を見ていれば分かった。 だって、僕は一番にそれを恐れて生きてきた。 「その力の事で……だろう?」 風香ちゃんの背中が無言の肯定を示していた。 「信じられるか? あの野郎共、こう言ったんだぜ。 『化け物の世話なんて誰が見るか!』」 .
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