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植物と言っても
今の日本でそれが何なのかを知る術はない。
図鑑にもインターネットにもその姿は載っていなかった。
呼ぶ時に不便なので
今生えたこの子は『カズラ』と呼んでいる。
ちなみに特徴は感情が高ぶると強酸を振りまく事。
二、三度ジャンパーを熔かされた。
彼、または彼女達は気まぐれに僕の背中に現れて、
来た時と同じく唐突に消えていく。
物心ついた頃からそうだった。
何故こうなのかはよく分からない、
とにかくこれが僕だけの特別な事だと知った時、
まず初めに思ったのが
『隠さなきゃ!』
だったからだ。
今にして思えば背中に植物が生えるという派手な事態だ、
少なくとも両親にはバレバレだったのではないだろうか。
それでも僕は隠さずにはいられなかった。
両親が何も言ってこないのは、
そんな僕の必死な思いを気遣っているからかもしれない。
知られればこれまでのような生活は送れなくなる事を
僕は本能的に知っていた。
この年で見放されたら僕は死んでしまう、
だから一人で生活できるようになるまで
隠しておかなきゃと。
力を隠しつつ調べる方法なんて僕には思いつかなかった。
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