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そこは、深い深い森の中にある教会。
小鳥はさえずり、木々は生い茂り、穏やかな光が包み、陽の匂いが鼻を突く。
教会の中では女がキリストの神に祈りを捧げていた。女はシスターのようで、聖職者の帽子からは長い金髪が垂れていた。
外から一見すると、綺麗な印象を与えるが内部は殺伐としていた。
教会のトタン床を埋め尽くす物は、子供の笑顔でもなく、ミサを嬉々とする老人でもなくそこら中には――。
――死体死体死体死体。異臭、肉片、人が人として見えない。そんな空間。
その異常な空間で女は、奥の女神像に膝を突き、両の手を握り、憮然と祈りを捧げる。辺りの風景を意に介した様子もなく、女は尻に血がついた腰を上げる。
「……おお、神よ。哀れな者達にご慈悲を!」
両手を大きく掲げ、足元の屍骸を踏みつけながら歩き続ける。女の革靴には肉がこびり付き、歩く度に鈍い音が地面を叩く。
「そう、そうですか……皆様、残念です。神は……アナタ達に判決を下さしました……判決――」
赤色の瞳の美女は高く上げた手を、さらに高く上げた。
「――死刑!」
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