紘の戸惑い

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紘「美紀…今なんて…?」 美紀「ん…?…昨日は…おやすみのキス……してくれた…」 紘「えっ?」 紘は覚えの無いことを聞かされまぬけな声を出して目を丸くする。 そんな事をした覚えは無い……と思う… と言うのも、紘には昨晩の記憶が無いのだ。 そうだ、皆に確認を取れば良いんだ。 紘はそう考えてその場に居る美紀以外の3人に目を向ける。 紘「玲、ちょっと聞きたい事が――」 紘が言い切る前に玲は布団を被り顔を隠してしまった。 紘「沙夜、昨日の事――」 沙夜は寝返りを打ち紘と目が合わない様に逃げた。 紘「沙那、俺何かしたかな?」 唯一沙那だけが紘から目を離さずに、女の子座りで紘の前に座っていた。 沙那「えっと…その……」 沙那は話しづらそうに目線を泳がせる。 紘「沙那、話し難いことなのか?」 沙那は申し訳なさそうに小さく頷いた。 紘「沙那、お願いだ」 沙那「わかりました…」 沙那は承諾して昨晩の事を隠さず紘に話した。 紘「えっ……俺そんな事を……するなんて……最低だ……いっそ死のう…」 紘は手を地面について感情の篭っていない目をしながら呟く。 慶子「紘、どうしたの?やけでも起こした?」 顔を赤くして酒の瓶を持った呂律が回っていない慶子が紘の部屋に入って来た。 紘「母さん…俺……酔っ払っていたとは言え…皆に………キスして…まあ、沙夜、沙那は頬っぺただったけど…」 重々しく話す紘の声に対し、対照的な飄々とした喋り方で慶子が言う。 慶子「唇でも良かったのよ♪兄弟って言っても義理だから」
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