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「いくつか聞きたいことがあるんですけど。」 「うん、私もある。」 お互いに顔を見合わせた。 南側にある、窓からそよ風が入り、二人の前髪を揺らす。 「じゃぁ、お互いに一つずつ質問してこうか。」 「分かりました。では、お先にどうぞ。」 テーブル越し、クッションに座っている凪に、手を伸ばした。 「じゃぁ、先に聞くね。歳は?」 「22です。こっちの番ですね。さっき、“目”って言いましたけど、明確な理由が分かりません。何故、目で判断出来たんですか?」 「私も同じ“目”をしていた時があったから。……誰も信じてない“目”。そういう人って、大抵、家が無いか、家出中なのよね。……それか、何かヤバいことやってる、とか。」 凪は苦笑した。 何故、笑ったのかは、分からない。
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