プロローグ

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「やめろ!やめてくれぇ!」 ゴミ置き場と言っても過言ではない程に汚い部屋の中、男は逃げ回っていた。 何からか? それは簡単。 目の前にいる、包丁と果物ナイフを持つ男から。 何故? それも簡単。 恐いから。 「いいから、出せっつってんだろうが!」 強盗だろうか。 軍手をはめている。 準備は整っているようだ。 「ですから、それ以外には無いです!」 犯人?の前に重ねられているのは、写真や書類の束。 金が目的ではないらしい。 「絶対だな?」 「はい……!」 「他に記したモノも無いな?」 「……はい。」 「本当だな?」 「はい。」 「これでもか?」 「ギャァァァァ!!」 ビビる彼の左手には、果物ナイフが深々と刺さっていた。 「アイツについて記したモノは他に無いんだな?」
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